シイラゲームのトリセツ
日本でルアーゲームの発祥地「相模湾」は6月の梅雨シーズンになると黒潮に乗って大型シイラが入り、果敢にプラグを追う。
こと平塚港では、毎年「夏の風物詩」として情報を発信しオフショアアングラーを魅了して来たシイラゲーム。これはオフショアゲームの絶対的基本を学ぶ事が出来るゲームである。
私はこの「シイラ」を対象としたゲームを、もっとたくさんの方に楽しんでもらいたく書かせてもらった。では、なぜ「シイラゲームが絶対的基本」なのか。これから解説していきたい。
大きく分けると、以下の4つが基本となる!
1)船からのゲーム(予約から、あれこれ)
2)ルアーへ反応の良さと視覚
3)魚の引きの強さ
4)自身のタックルの見直し、確認
では、1)〜4)をひとつずつ解説して行こう。
1)船からのゲーム(予約から、あれこれ)
オフショアゲームは、船に乗る事から始まる。
船宿へ予約やその日のタックルを確認しなくてはならない。
●予約の連絡を船宿に入れる
その際、集合時間、料金、タックルがないならレンタルタックルの有無、使うルアー等の確認。
●服装について
シイラゲームは炎天下の中でのゲーム。また突然の雨にも対応しなくてはならない。速乾性のあるTシャツに半パンツ、そしてレインウェアーは必ず忍ばせておきたい。
そして晴れた日でも、雨の日も、ツバ付きのキャップは必需品。これは日光から頭を守ること(熱中症対策)以外にも、ヒトがミスキャストしたルアーから頭を守ることにも繋がる。
偏光レンズも同じことが言え、シイラを探すことと、合わせてルアーから目を守る役目にもなる。
履物は出来る限りカカトのある、船内で動きやすく滑りにくいモノを履くようにしたい。クロックスタイプのモノが重宝する。
2)ルアーへ反応の良さと視覚
さあ、沖に出船した。
船酔いが心配なら、前夜から酔い止めを飲んでおこう。出船直前に飲んでも、なかなか効かないよ。
●ドラグを見てもらおう
初心者は出船前に、船長などにドラグを見てもらうように。レンタルタックルも同じ事。ヒットしてからでは対応が難しいですよ。
●ルアーのフック、カエシは潰しましたか(バーブレス)
これはキャスティングゲームで万が一、人にプラグを当ててしまったり、またシイラはフッキングして船縁に寄せた際ジャンプを繰り返すので、ルアーが外れる事も多い。その時にルアーが飛んで来たりします。シイラを船上で扱う際も激しく暴れるのでルアーを外しやすいように。そしてリリースをスムーズに。そんな意味があり、バーブレスフックでのゲームを推奨しています。
●シイラゲームの特徴は、まず「サーフェス」ゲームであり、表層を意識して探していくゲームである
潮目、気象ブイ、ゴミ、蟹カゴブイ、流木、藻溜まり…と言った、表層に浮くモノにシイラは身を寄せて捕食をしている。
また、鳥山、ベイトナブラ、産卵に合わせたフラツキ、と言ったベイト絡みの行動や産卵に合わせた行動時を狙う事も多々ある。これらを船長がいち早くみつけ、アングラーに狙わせてくれるのだ。
●潮目にキャストしてみよう
シイラは見えないが、潮目にはベイトのエサとなるプランクトンが集まり、プランクトンを食べるベイトが集まる事から、シイラは潮目周辺に付く。ポップサウンドで引き寄せるように、まずはポッパータイプのプラグからキャストしたい。
●シイラがヒットした!
慌ててロッドを立てるのではなく、まずシイラがルアーを咥えたら走り出すまで待ってみよう。慣れてきたら咥えて動き出したらフッキングの動作が必要になってくるが、まず初心者の場合、この時点でのフッキングは難しい。走り始めてからフッキングしても良い。
3)魚の引きの強さ
●シイラはジャンプ!する
ルアーを咥えたシイラの走りにきっと驚くはず。
一直線に走り出す。ロッドを寝かせる様にしてファーストランを凌ぐ様にしたい。そして「ジャンプ!」する。その際、ロッドを立てるのではなく、リールでラインを巻くようにしたい。
●ドラグを信じて走っている時(シイラが引いている時)はドラグを触らない
あまりにもドラグの数値が弱い場合、きっと船長やノリコ(船内でお手伝いしてくれる人)がアドバイスしてくれるはず。「初心者」という事は恥ずかしくありません。切れたり、バラしたりした方が恥ずかしいかも!
●シイラが船縁まで寄ってきた
慌てず、船の下でシイラは円を描く様に一定方向で回りながら上がってきます。また、ネットなどを見ると走り出します。この時が一番慎重にならなくてはいけない所。
慌てずに。
●ランディング
シイラは船上でも派手に暴れます。咥えたルアーを外す際はグローブ、プライヤー等が必要です。安全にするために濡れたタオルなどでシイラの目を伏せてやると、おとなしくなります。
4)自身のタックルの見直し、確認(1尾を釣り終えて)
●自分にロッドパワー、レングスは合っていたか
ロッドが強過ぎてラインが切れてしまったり、あまりにもロッドのパワーが自身に伝わりファイト時にツラくなかったか。またロッドパワーが弱過ぎて、いつまでもシイラが浮かなかったりしなかったか。
●ライン、リーダー、プラグの結束は完璧に出来ていたか
ラインブレイクしなかったか、ドラグはスムーズに出てシイラが走るスピードを押さえる事が出来ていたか。
●ルアーのフック、リングなど伸びたりしていないか
バーブレス(カエシを潰す)でのファイトに自信が持てたか。
おおよそ、こんな具合です。
シイラゲームは覚えなくてはならない事はそれほどありませんが、まずは自身のタックルを持った際「ラインシステム」を学ぶようにして欲しい。
リールを購入した際、ショップでメインラインを巻いてもらい、そこでリーダーとメインライン、またリーダーとルアーとの結束をショップ店員さんに必ず聞くようにして欲しい。
ソルトタックルを取り扱っているショップなら、オフショアゲームが得意な店員さんが必ずいると思います。「ラインシステムを教えてください」という言葉がまず重要。実釣前に何度も結束の練習をすることをお勧めします。
ここで私が相模湾でシイラゲームに使うタックルを紹介します。
ロッド
6.5〜7フィートクラスのミディアムタイプ
※在庫のないものはご相談ください。お取り寄せいたします。
リール
ハイギヤタイプのオフショア用
ドラグ性能の良い中型スピニングリール
※在庫のないものはご相談ください。お取り寄せいたします。
メインライン
PEライン3号 200m〜300m
リーダー
50〜60ポンドのナイロンリーダーを1.5m
ルアー
シイラ用のポッパー、ペンシルプラグ、オフショア用スプーン、バイブレーションプラグなど
その他
その他、プライヤー、キャップ、シューズ、日焼け止め、レインウエアー、飲料水、酔い止め薬などは用意しておきましょう。