メタルジグを使い、青物を狙うスタイル《ジギング》は、大きく分けると2種類のタイプがある。
スピニングタックルによる、ジグをしゃくるスタイルと、張りのあるベイトタックルでジグを落として誘うスロージギング。私が推奨するスタイルは【メタルジグを引いて誘うスタイル】になります。
スロースタイルによるジギングは本当の所、私程度の者が語る事が出来ない奥深いスタイルなので、このページでは私のスタイルで解説させて頂きますねっ。
ジギングとはそもそも…という話から。
船を予約してからの流れは「シイラゲームのトリセツ」と同様。その際、確認する内容はレンタルタックルの有無、そして「使うジグの重さ」これが重要。
オフショアゲームで使用するメタルジグは、80〜280g、300gとそのポイントの潮流、水深、対象魚によって大きく代わって来る。だから必ず船宿さんに予約を入れる際「何グラムのジグを用意したら良いですか?」と、問いかけをしましょう。
「HP見てね」くらいしか返事がないこともあるが、それでも確認しておいた方が良い。ジグのカラーや銘柄、デザインよりもまず「その船で使用するウエイト」が重要になる。これだけは私も予約を入れる際、確認する様にしている。「平松さんならわかるでしょう〜」と船宿さん、船長さんは言うが、「最近は何グラムを使用していますか?」と聞き直すと教えてくれます。
船長も来たお客さんには釣ってもらいたい。またジギングは、他のお客さん(アングラー)と同時にジグを沈めるので、ウエイトをある程度合わしておかないと、お祭り(糸が他のアングラーのものと絡んでしまう)してしまうので大切な事。
船長が例えば「昨日は180gで食ってたなぁ〜」と教えてくれたら、最低でも150g, 180g, 200gは準備しておこう。その中で前日に良かった「180g」の本数を増やす様にしてやれば、だいたいのジグタックルが決まって来る。しゃくるロッドパワーやレングス、使うラインの太さ、巻き取るリールのサイズなど。こうやって少しずつジグのバリエーションを増やしていく様にして、お気に入りのジグを見つけて行く事もジギングの楽しさ。
では、「平松慶がおススメするジギングのタックル選択」と「実釣」を合わせて解説していきますねっ。
何を狙いたい? 何が釣ってみたい?
「何でも良いから釣りたい」はダメ。住んでいる場所から行ける範囲で対象魚を見つける。それが「タックル選択」の一番の近道。
ジギングのレンタルタックルを準備してくれている船宿さんはまだまだ少ない。量販店さんでも最近は安価でジギングタックルを揃える事も可能だから、是非「狙いたい対象魚」をしっかりと持とう。決めよう。
もし、お近くの対象魚がはっきり分からなかったら、近所の釣具量販店さんに「〜エリアで、今何が釣れていますか?どの船宿がおススメですか?」と問うのも大切。きっと丁寧に教えてくれると思います。
出船準備開始!
近所のタックルショップへ足を運ぼう。最初は入りやすい量販店さんで良い。そこで、たくさん列ぶ種類豊富な「メタルジグ」を見てみよう。船宿さんに聞いたり、調べて確認したウエイトなどを見てみよう。
きっと量販店さんは「ワラサ(メジロ)狙いなら、これ!みたいなポップを付けてくれているはず。そのポップには店員さんが魚を抱えている写真も載ってるかもしれない。
恥ずかしくない。「この写真と一緒のものを釣りたいんです!」と店員さんを捕まえて聞く。絶対にコレはタックル選択の即効性になる。タイミングよくその写真のスタッフ(店員さん)に遭遇したら、素直に聞こう。「この写真みたいにこの魚が釣りたいんです。」と。私も17年間釣具の大型量販店で勤務してきました。
釣るためのポップに私の写真を掲載したら「これが釣りたいので教えて下さい」と何度も聞かれた。そして予算を聞いて接客した思い出があります。もちろん今でもそうしてますので、いつでもお尋ねください!
例えば「ワラサを伊豆で釣りたい。」
具体的な方向性が決まって来た。そしたら私はジグのウエイトから、フック、リーダー、PEライン(メインライン)、ロッド、リールを確認します。「ワラサが釣りたいんですねっ。」と、ある程度行く船宿さんや日程も聞いた。状況が確認出来るなら、すぐに確認し、私なりのタックルセレクトをお伝えします。
ロッド
6フィート前後のミディアムクラスのパワーを持ったスピニングロッド。ジグウエイト180g位までの表示パワーを持ったものが一番応用が効く。
リール
高価なものがたくさんあるが、日本メーカーのリールなら中堅クラスで十分使えます。
無理のないリール選びはお財布と相談しながら。ただし、あまりにも安価なものを選んでしまうと海で使用するので、塩害などで「すぐにオーバーホール」になってしまいがち。そのアタリが値段との相談になる。
サイズはPE4号を最低でも200mは巻けるキャパシティー(容量)があるもの。
※ご要望に応じて、ご注文を承ります。
メインライン
これは最初は切れにくく、そしてラインが潮の抵抗を受けにくく扱いやすいPE4号が良い。
最近では8本撚りのものが主流になっているが、「大特価」でお店で売られているものは店員さんに確認した方が良いだろう。
リーダー
ナイロンか、フロロカーボンか?
初心者は扱いやすい「ナイロンリーダー」をおススメする店員さんもいると思うが、平松慶は「フロロカーボンにしなさい」と言います。
私はダイビングもしており、水中でのジグのテストで潜った際、ナイロンリーダーとフロロカーボンリーダーの違いを人間目線ですが、はっきり見ています。
ナイロンリーダーは水中で太陽光を反射し、シルエットを膨張させる様に見えています。フロロカーボンリーダーは太陽光を浸透させるので、水中で見つけるのが大変。これだけでも「釣果に差がつく」と私は思っております。
ですので、メインライン(PEライン)をスプールいっぱいに巻かず、少し減らしてフロロカーボンリーダーをスプールにしっかりと納める様にしてトラブルを減少させる様におススメしています。
またリーダーの長さは、私は6ヒロほど入れていますが、4ヒロ~5ヒロ位を目安に入れましょう。サイズ(太さ/強度)は50ポンド前後が良いでしょう。
なお、ライン(リーダー)について、ブログで詳しく書いております。参考までに。
『水中における、平松流リーダー論』はこちら→
メタルジグ
ジグは様々な形状のものや、カラー等、悩ませます。
ショップ店員さんに聞く「おススメジグ」はまず間違いないでしょう。そして、そのジグと形状の似た物も準備すると、ひとつのジグに飽きた時の交換に役立ちます。
ウエイトは130g〜180g位までは準備しておくと良いでしょう。
フック&リング
アシストフックが主流のジギング。オーナーばりさんなどで便利な市販アシストフックが様々なサイズで出ています。それらを最初は活用して十分。ちなみに私は、現在でもオーナーばりさんの市販アシストフック(完成品)を使用しています。
リングは、スプリットリング、打ち抜きリングが必要となります。
スプリットリングはメタルジグとアシストフックについたOリングとの結束。もうひとつのOリングはリーダーとの結束で入れる様にしています。
スプリットリング、Oリングのサイズは、メタルジグのアイと同じ位の形状(サイズ)を目安に。それよりも小さいリングを選んでしまうと、ジグを動かした(アクション)した際にリングがジグのアイに挟まり、トラブルの元になるからです。
大きく分けて2通りの役目があるOリング
1)フックをジグの舵取りの役目
ファーストインパクトで「飛ばすジグ」は、私が【線の動作】として解説しているワンピッチアクションを主体とした誘いの場合と、「ホバーリング」させて【点の動作】で誘うスタイルとに分かれる。
【線の動作】で狙う場合は、アシストフックをシングルでもダブルでもあまり気にしない事にしている。それでも使い分けとしては、潮が速い時などはシングル、あまり動かない潮の時にはダブルで、と意識している。
【点の動作】で狙う場合は、アシストフックを「凧の尻尾(舵取り)」の役目と同じ考えでシングルとダブルを使い分けている。
シングルを使う状況は、ホバーリングさせたい時に潮が速い状況下。
ダブルを使用する場合は、ホバーリングする間合いを長く取りたいときに。
2)ジグの交換に伴い、フックのサイズ、チモトの長さによる交換とジグとのバランス
アシストフックとメタルジグとのバランスは、特に気を付ける様にしている。
アシストフックのチモトが長過ぎると、ジグのアイ部分に巻き付いたり、フックが暴れ過ぎてしまう。さらにジグを抱いてしまう事も。これらを考え、ジグとアシストフックは常に取り外しがしやすい環境で釣りをする様に心がけたい。また、シングルでのアシストとダブルとの使い分けも考慮して。
メタルジグとアシストフックとのバランスは、フックの懐位置がジグを半分に考えたよりも気持ち上に位置する様なチモトの長さに考える様にしたい。
なぜ、Oリングを入れるか。
これは、ジグを引く際、常に「フックとジグ」のセンター位置でジグを引くために入れている。
その他「ジギング」で必要とされるもの
私はメインライン(PEライン)とフロロリーダーを結束する際「PRノット」で結束しています。
この「PRノット」は地上でも船上でもほぼ安定した強度を出す事が出来るノットで、少しの練習ですぐに上達します。ですので「PRノット」を私はおススメしています。
オフショアジギングに慣れて来たら「FGノット」など、リーダーにPEを編み込むノットなどもトライしてみてはいかかでしょうか。
その他、100円ライターが「PRノット」には必要になります。ターボライターが便利ですよ。
ジギングに対しての必要最小限は、おおまかコレくらいです。
ジグバッグ、プライヤー、偏光レンズ、キャップ、フィッシュグリップ、ライフジャケット等「シイラのトリセツ」でも書かせて頂きましたが、必ず準備する事をおススメ致します。ライフジャケットは「絶対に!」ねっ。
また船酔い対策での「酔い止め」も頭に入れておきましょう。
ジギングはプラグを目で追ったり、バイトが見える釣りではありません。ジグを沈め、しゃくり上げる、といった動作(アクション)の中で「ガツン!」と操作する手に強い衝撃が来る面白さが一番の醍醐味。船縁に近い水面を見ていることが多いので、船酔いが心配なアングラーは、酔い止め等の対策も十分にしておきましょう。